加賀友禅の現場に潜入

金沢へ弾丸研修に行って参りました。

加賀友禅、伝統工芸士の田嶋秀之先生のアトリエへ潜入です。

加賀友禅の歴史は古く、原点となる「梅染め」→梅の木から取った染色液等で染める無地染めの技法 から始まり、花鳥風月などの絵画性を取り入れて加賀友禅が形成されたと言われています。

主な特徴としては

•①藍 ②臙脂 ③黄土 ④草 ⑤古代紫 の5色を主に使い、写実的に自然の草木模様を絵画的に柄に表す。

↑先生の色パレットです。作家さんそれぞれが得意な色を持っているそうです。

•「外ぼかし」→外を濃く中心を淡く染める暈し や「虫食い」の技法を使うのに対して金箔や絞りや刺繍等の染色以外の技法はほとんど用いない のも他の友禅とは明らかに違う特徴です。

制作工程も主なものだけでも9つあり、そのすべての過程で一人の作家さんが何かしら絡み、京友禅の様な分業の作品とはコンセプトがちがいます。

 

1️⃣図案作成 

これはもう、作家さんの財産です。 田嶋先生の図案保管場所をこっそり見せていただきました。

この繊細な絵図からしっとりとした美しさのある加賀友禅の着物が出来ると考えるとドキドキしますね。

 

2️⃣仮仕立て

どこにどの絵がくるのかを一反分決め、白生地を実際に袖(そで)・衿(えり)・身頃(みごろ)など着物の形に裁断して仮縫いをします。

 

3️⃣下絵

図案の上に白生地を重ねて下から照明を当て「青花」と呼ばれる露草の花の汁の凝縮されたシートに水分を含ませて線を写しとります。

この青花は後工程で水ですすぐと跡形もなく消えます。

 

4️⃣糊置き 地入れ

もち米の粉を蒸して作った糊を紙の筒に入れ絞り出し、下絵の線に沿って細く糊をひきます。これが有名な「糸目糊」です。線が細ければ細いほど美しく、後工程で染料が滲み出さない様に防波堤の役目を果たします。最後は白い線で残ります。(後工程で柄を糊伏せしますが、糸目糊の上から更に糊伏せをします。)

裏側から薄い豆汁(ごじる)か薄いふのり(海藻成分)を塗ったあと火で乾燥させます。この作業により、下絵の青花を消し、糸目糊を生地に接着することができます。

 

5️⃣彩色

加賀友禅制作のクライマックスの工程です。先程の糊の輪郭のなかに筆や刷毛で手早く加賀友禅らしい色をさしていきます。仕上がりの美しさはここで決まると言っても良いため、作家の高い技術と色彩のセンスが表れます。

加賀友禅の特徴である『外ぼかし』を作る際、このお餅を焼くみたいな網↓を使い、伝熱で乾かしながら彩色するそうです。

何故なら、染料で濡れていると餅糊が染料の水分を含み太り仕上がりの線が太くなる、がしかし、ボカシは濡れている間しか出来ない、、ので太らない程度ボカせる程度に、所謂良い塩梅にする。職人の技と経験だそうです。興味深いですね!

 

6️⃣下蒸し

彩色した色を定着させ、次の中埋めの工程で糊に染料が吸収されないように生地を蒸します。

 

7️⃣中埋め

「糊伏せ」ともいわれ、彩色された部分を糊で伏せて、次に地色を染める際に、5️⃣で染めた柄に色が入るのを防ぎます。この伏せ糊は、もち米が入っていて糸目糊に比べて柔らかく、粘度があります。

↑この、下の小瓶、亜鉛末の鉄粉です。4️⃣の糸目糊に入っています。糊に硬さが出て粘りも減りシャープな線を作り出せるそうです。

 

8️⃣地染め

「引き染」→ドボンと液体につけて染めるのではなく、刷毛で着物の地色を染める工程。 綺麗にムラなく染めるには刷毛に含ませる染液の量も大切ですし、刷毛を一定の力で動かさないと濃淡がでてしまい、技術と経験が必要です。

 

9️⃣本蒸し

 

🔟水洗い

流水で糸目糊、伏せ糊、余分な染料を洗い流します。川で反物を洗う有名な「友禅流し」は冬の金沢の風物詩で、今でも実際行っている染屋さんがいます。はなや米や海藻や鉄粉を使い染めているので自然に返す事ができるのですね。
このあと乾かし、仕上げをするそうです。憧れの加賀友禅。ちょっぴり身近に感じました。田嶋秀之先生 ありがとうございました。


田嶋秀之先生とのコラボ作品はこちら
【星という名の手描き帯揚げ asterisk*(アステリスク)】

 

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